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世界のカワウソ

カワウソは北極・南極を除く世界全域の大陸で見られる。
また河川を主に生活拠点を置き、川の最強捕食者でもある。

ニホンカワウソはユーラシアカワウソの一亜種であると言う考え方で4属12種。
ニホンカワウソを固有種で考えれば4属13種。

イタチ科

┗カワウソ亜科
  ┃
  ┠ツメナシカワウソ属
  ┃  ┠コツメカワウソ
  ┃  ┠ツメナシカワウソ
  ┃  ┗ザイールツメナシカワウソ
  ┃
  ┠カワウソ属
  ┃  ┠カナダカワウソ
  ┃  ┠ウミカワウソ
  ┃  ┠オナガカワウソ
  ┃  ┠ユーラシアカワウソ
  ┃  ┠(ニホンカワウソ)
  ┃  ┠ノドブチカワウソ
  ┃  ┠ビロードカワウソ
  ┃  ┠チリカワウソ
  ┃  ┗スマトラカワウソ
  ┃
  ┠オオカワウソ属
  ┃  ┗オオカワウソ
  ┃
  ┗ラッコ属



※ 写真は日本の動物園・水族館で見られるカワウソたちの全種です。
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■コツメカワウソ
学名:Aonyx cinerea
英名:Oriental short-clawed otter
体長:45~60cm
体重:1~5Kg
生息:南アジア、東南アジア

カワウソの仲間では最も小型。
手足の爪が大変短いことからコツメカワウソと呼ばれます。
前足の指先は非常に敏感かつ器用。
好奇心旺盛で忙しなく落ち着きない。

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■ツメナシカワウソ
学名:Aonyx capensis
英名:Cape clawless otter
体長:40~70cm
体重:3~5Kg
生息:サハラ砂漠以南から南アフリカ

名前の通り爪を持たないが、それどころか水掻きも持たない。
コツメ同様最も小柄な部類に入るカワウソ。

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■ザイールツメナシカワウソ
学名:Aonyx congica
英名:Congo otter
体長:60~100cm
体重:13~18Kg
生息:アフリカ赤道付近

コツメカワウソと密接な関係にあるカワウソで、爪は短く、歯は鋭い。
しかしながらその生態はほとんど不明とされている。

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■カナダカワウソ
学名:Canadian Otter
英名:North American River Otter
体長:90cm~130cm
体重:5~11Kg
生息:北アメリカ大陸

イタチ科の中でも最大級の大きさ。
頭の上方についた目は水中から水上の様子を見るのに適している。
両足には水掻きがついていて、泳ぎが得意な種とも言える。

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■ウミカワウソ
学名:Lutra felina (Enhydra lutris?)
英名:Sea otter
体長:60~130cm
体重:16~40Kg
生息:千島列島、カムチャッカ半島、アラスカ南西部、カリフォルニア

いわゆるラッコである。でもラッコはカワウソの仲間と知らない人は多い。
アラスカラッコ、カリフォルニアラッコ、アジアラッコの3亜種にわけられる。
ラッコの語源はアイヌ語でアトイ・エサマン(海のカワウソ)から代用されたものと、
中国名の「臘虎」を音読みしたものという説がある。

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■オナガカワウソ
学名:Lontra longicaudis
英名:Long-tailed Otter
体長:90~140cm
体重:5~15Kg
生息:中央・南アメリカ

尻尾の長さまで入れると3~8mにもなると言う。
オオカワウソと共存しているが、絶滅危惧状態にあり、
また生態についてもほとんど何もわかっていない。

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■ユーラシアカワウソ
学名:Lutra lutra
英名:European River Otter
体長:65~82cm
体重:5~10Kg
生息:中国、ユーラシアに広く分布

カワウソの仲間の中では珍しく単独で生活する。
足の水掻きはよく発達していて頑丈なカギ爪を持つ。
太い尾を持ち付け根の臭腺から臭いづけを盛んに行う。

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■ニホンカワウソ
学名:Lutra nippon
英名:Japanese otter
体長:65~80cm
体重:5~10Kg
生息:日本

単独の種とも考えられているが、生息が確認されていないため
ユーラシアカワウソの亜種として扱われることが多い。
かつては日本全域に生息していたと言われているが、
大正から昭和初期にかけて乱獲が進み1979年以降、
生息確認は取れていない。

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■ノドブチカワウソ
学名:Lutra maculicolis
英名:Spot-necked otter
体長:58~69cm
体重:3~5Kg
生息:サハラ以南のアフリカ

砂漠地帯に多く生息する。喉の周りには白い斑がある。

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■ビロードカワウソ
学名:Lutra perspieillata
英名:Indian Smooth-coated Otter
体長:65~80cm
体重:7~11Kg
生息:イラク・インダス川下流・東南アジア・ビルマ・中国南西部・マレー半島・スマトラ・ボルネオ

アジアでは最も大きなカワウソである。爪は鋭く、毛は分厚い。
毛は2層になっており、ビロードの名の通り、滑らかで美しい。
カワウソの中でもとりわけ社会的な種である。
多様な生息地に適応しているにも関わらず個体数は激減している。

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■チリカワウソ
学名:Lontra provocax
英名:Southern river otter
体長:57~70cm
体重:No data
生息:南アメリカ

一世紀前にはチリとアルゼンチンに広く分布していたが、
環境の悪化と共に個体数は激減。現在は7地域でしか確認ができていない。

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■スマトラカワウソ
学名:Lutra sumatrana
英名:Hairy-nosed Otter
体長:50~85cm
体重:5~8Kg
生息:タイ、ベトナム、カンボジア

めちゃくちゃブサ顔で可愛い。
1999年に発見されたのが初めての生息確認。それまでは幻の生き物とされていた。
ユーラシアカワウソの近縁種と言われる。

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■オオカワウソ
学名:Pteronura brasiliensis
英名:Giant Otter babies
体長:95~130cm
体重:20~30Kg
生息:アマゾン川流域

名前の通り、最も大きなカワウソ。昼行性である。
毛皮が高値で取引され、大きな群れを作って行動をするため、
狩猟が容易であったため個体数が激減した。
極めて足が大きく、肉付きも非常にいい。

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4属って分類される割には「ラッコ=ウミカワウソ」で扱われていて、
ウミカワウソとラッコ属の違いがよくわからん…


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【尾を起点に器用に立つカワウソ】
■カワウソあれこれ
絶滅の危機?
昔から人間とカワウソは密接な関係にあります。
昔は民話などによく登場し、二本足で器用に立ったりする様から人間を化かしたりする生き物として話されたりしています。
昔から人間に愛されてきた一方で、毛皮などを狙ったハンティングにあったり、
水質汚染により魚が減少し、餌がなくなってしまったことや、
河川の開発等でカワウソの生息地がなくなり、地域によっては絶滅、世界的にも生息数が激減しています。


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【獺祭イメージ図!(笑)】
お祭をする?
カワウソの特徴として何と言っても挙げられるのが”お祭をする”ということじゃないでしょうか?
カワウソは捕らえた魚を岸に並べると言う習性があり、この行動は獺祭(だっさい)と呼ばれています。
また、獺祭と言う言葉は書物や参考資料等を散らかしている様を指す場合にも用いられます。
水族館のカワウソたちは餌を与えられるとすぐ食べてしまうのですが、稀にこんな行為をするところも見られますよ。


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【とても器用に餌を掴んで食べる】
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【木にだって登っちゃう!】
手先はとっても器用
水中で泳ぐ魚を巧みに捕まえる、魚を手で持って食べる、物を掴むなど…
カワウソの手先はとっても器用です。
そう、かんちょのレンズキャップを奪ってくほどね…Σ(´□`;)
また、石を拾って遊んだり、木に登ったりできるほど器用な手足です。
また、尾を支えにして直立し、遠方のものを注視する習性も持っています。
手先だけでなく身体中をとても器用に扱うのですね。


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【ガサゴソとお気に入りの場所から隠した物を探す】
物を隠す!?
カワウソは餌や石など気に入ったものを穴の中に隠したり、
またそれを掘り出してきて遊ぶ姿などが見られます。
この時も手足で器用に穴の中をゴソゴソと探し当てるのですよ。


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【一度寝だしたらちょっとやそっとじゃ起きない…】
まるで子供!!
カワウソはまるで人間の子供を見ているようです。
忙しなくひたすら遊び続け、そして途端にぐっすりと眠りに落ちます。
一度寝だすとちょっとやそっとじゃ起きません。
そんな姿もまたかわいらしいものですね。


かつては日本にもいた!
ニホンカワウソと呼ばれるカワウソが日本に生息していました。
しかし1979年に生息が確認されて以来、確認されていません。
一説では絶滅してしまったと言われていますが、今もどこかで生きていると信じたいものです。
ちなみに、最後に確認されたと言われる高知県須崎ではかわうその里というところがあります。


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【泳ぎもとても達者!】
漁で活躍!!
中国の一部やバングラディシュではカワウソを用いた漁猟を行っています。
カワウソを水中に潜らせ、魚を網の中へ追い込むという実にユニークな方法です。
実は歴史は古くもう2~300年前から行われているのだそうですよ。
特にこの地域の人々はカワウソ漁で生計を立てている人が多く、カワウソは大切な稼ぎ手。
日本では犬を家族の一員として数えることがありますが、
こちらはカワウソを家族の一員として数えるのが当然だそうですよ。


というわけで、かんちょの大好きなカワウソを大々的に特集してみました!
いかがでしたでしょうか?_(^^;)ゞ
でも、カワウソの魅力はまだまだこんなもんじゃないです。
またの機会に1種ずつスポットを当てて紹介していきたいと思います。
by argon-l | 2006-04-20 22:20 | 鳥羽水族館

各地の水族館で撮った魚たちの写真を紹介♪


by argon-l