生きてく強さ note.10
2007年 12月 26日
ウミガメは日本近海にも多くやってくるため古くから日本人との暮らしにも密接な関係にあり、
昔話などでもよく登場する生き物かと思います。
ウミガメと言うと他のカメと随分な違いがありますし、
同じウミガメの中でも様々な違いがあって面白い生き物なのです。
カメと言えば甲羅の中に頭や脚を引っ込めて身を守る姿が印象的ですが、ウミガメはどうでしょう?
ウミガメは甲羅の中に引っ込んだりすると思いますか?
答えはノーです。
もともとカメの祖先は湿地帯で生息している生き物でしたが、
それぞれ新天地を求めて海へと出るカメがいました。
これが最初のウミガメで、アーケロンという甲長が4m以上にもなるカメでした。
しかし、海はライバルが多く生存競争の激しいところです。
そのため、外敵から逃げるためにより速く泳ぐ術を身につけなくてはなりませんでした。
なので脚も舟を漕ぐ時に使うオールのような形へと変化させ、
甲羅もできるだけ小さく、さらには甲羅を軽くするために甲羅の骨も隙間だらけになっています。
甲羅に引っ込んで身を守ることができなくなりましたが、
その分素速く泳ぐことができるようになり、
普段は優雅に泳いでいるので速く泳ぐという印象にないのですが、
実際外敵から逃げる時は驚異的なスピードで泳ぎます。
ウミガメは地球上に7種いると言われています。
面白いことにこれらのウミガメたちはそれぞれ主食としている餌が違うのです。
これは生存競争を激しくしないため、それぞれが違うものを食べることで住み分けをしていると言われ、
アオウミガメは貝類やヤドカリなど、アオウミガメは海藻類など、タイマイはカイメン、オサガメはクラゲ類、
ヒメウミガメは小さな底生動物を食べているのだそうですよ。
賢いというか、見た目からの平和主義者なんですなぁ~
by argon-l
| 2007-12-26 10:57
| 新江ノ島水族館