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ニシン

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日本の食文化を支える重要な資源であるニシンです。
水族館で見たのは初めて。それだけに感動したわぁ~。
おそらく弱い魚だけに展示例もとっても少ないんでしょうねぇ。

国内でのニシンの分布は、北海道を中心とした茨城県以北の太平洋、日本海全域にやってきます。
北海道と中心にというのは、その昔、北海道では「ニシン御殿」が建ち並ぶほどそれは大変な漁獲があったと言います。
全盛期では100万トンの漁獲があったにも関わらず、1955年頃には1000トンにまで減少してしまい、
今では100トン以上揚がれば大漁とさえ言われてしまうぐらいの減少っぷりです。
国内からすっかりニシンが姿を消してしまった昨今では、輸入に依存する割合がかなり増えました。


ニシンの活用法として日本の代表的な文化として、魚卵を塩漬けした「数の子」です。
特にお正月には欠かせないものとなっているわけですが、
日本からニシンが姿を消し、さらには昨今の輸入事情を考えるといつまでも輸入にも頼れない現状から、
いつの日かお正月に数の子が見られなくなる日もきてしまうのでしょうね。

また、ニシンと言えば加工品でお目にかかることが多いと思うのですが、
京都を代表する「にしんそば」はこのニシンを用いたもので、
身欠きニシン(ニシンの干物)の文化が強いから誕生した利用法ですね。
そもそも京都は海から遠く、新鮮な魚が入ってくることがありませんでした。
その昔はニシンが大変豊富で、ニシンを干物にしたものが京都へ流れてきたわけですが、
海との生活に縁のない京都では貴重な蛋白源であり、貴重な魚類の1つでもありました。
そもそもニシンの名前の由来とは、内臓を取り去り、「身を2つに割り」、干物にすることから「二身(ニシン)」とされており、
豊富な漁獲であったにも関わらず、生のままでは日保ちさせることができなかったことから、
古くから干物にして加工する文化が強かったのです。

古くから日本の文化を支えてきたニシン。
彼らが日本の海から姿を消すことは、日本の文化をいくつも消してしまうことと同じなのです。
by argon-l | 2008-08-09 07:36 | 丹後魚っ知館

各地の水族館で撮った魚たちの写真を紹介♪


by argon-l