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タテジマキンチャクダイ

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見事な黄色い縞模様ですが、目が痛いですね。(笑)
タテジマキンチャクダイです。
個人的にはこの魚は魚の面白さや特徴を伝えるのに最も適した魚の一種だと思っております。

「縦縞」と言うものの、人間的にはパッと見このコの場合「横縞じゃないの?」って思ってしまいますよね。
ですが脊椎動物は脊髄に平行を縦、垂直を横にすると決められています。
もうちょっと分かりやすく言えば魚の場合、頭を上にして縞が上下に走っているか、左右に走っているかということですね。
つまりこのタテジマキンチャクダイも頭を上にすれば縞模様も縦に平行して走っているわけです。
魚は横向きに泳いでいることが多いため、見たまんまの印象と違うのでちょっと違和感を感じますよね~。

一見この縦縞、とーっても目立って厳しい自然界で生きていくには不利なんじゃ?っと思いますよね。
ですがこういった縞模様も自然界では有利に働くことが多いのです。
陸上動物ではトラやシマウマなんかが立派な縞模様を持っていますよね。
トラなんかは藪の中で行動することが多いため周囲の環境に溶け込むような模様のため逆に目立たないですし、
シマウマなんかは大柄の縞模様を持つことで身体を分断させ全身の姿を見え難くするという役割を持っています。
逆に目立たせることで有利に働く生き物もいるわけで、これは有毒種であるケースが多く、
あえて目立つことで自身が毒を持っていることをアピールしているわけですね。
縞模様にもその背景には様々な理由があって面白いです。

次に目元に着目すると…
目を通るようにして濃いラインが走っていますよね。
これは目の位置を隠し、目線を悟られ難い効果も持っているわけですね。

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さてはて、この魚は何でしょうか?
実はこれ、タテジマキンチャクダイの幼魚なのですね。もう同じ種だとは思えないでしょ?
この成魚と幼魚の差がまた面白いところであり、水族館でもよく取り上げられています。
幼魚は白い同心円状の模様が入るのが特徴で、この特徴から「ウズマキ」と呼ばれたりします。
この渦巻きは目玉にも見え敵を惑わすのに役立っているとも言われています。

タテジマキンチャクダイだけに限ったことではなく、ヤッコ類は配偶者以外の成魚を縄張りから追い出す習性を持っています。
そのため親と明らかに違う模様を持つことで成魚から攻撃されないという話もあります。

模様の役割だけでも様々な意味合いがあって面白いですねー

【写真1】名古屋港水族館
【写真2】京急油壺マリンパーク
by argon-l | 2010-02-28 07:31 | 名古屋港水族館

各地の水族館で撮った魚たちの写真を紹介♪


by argon-l