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日本カモシカセンターが閉鎖します

この記事は期日未定でトップに表示させます。




皆さんはカモシカだけの動物園ってご存知ですか?

三重県は御在所岳山上に世界でも唯一のカモシカだけの動物園があります。
ピークを境に年々来場者数が減少し、
また、老朽した施設を修繕する見通しも立たないことから
今年の11月に営業終了、来年の3月には施設を閉鎖する見通しとなりました。

通常、当館は水族館を中心に動物園でも水族を中心にお届けしておりますが、
この度の閉鎖話に伴い、少しでもこの施設の素晴らしさを伝え、
華々しい終わりを迎えて欲しいと思いこの記事を認めさせて頂きました。


日本カモシカセンターは御在所岳の山頂付近、
標高1212mもの高さに位置する(頂上付近の写真)カモシカ専門という非情に珍しい動物園です。
5種のカモシカと少数のヒツジやげっ歯類の仲間など決して動物数も多くなければ
交通の便も主要駅から離れ交通の便もよくなく、
また御在所岳麓からロープウェイに乗って、更にリフトを用いてやっとのことで動物園に到着します。
そんな不便なところに位置する動物園ですが、ここだからこそカモシカのよさがわかる、
初めてカモシカセンターへ行った時にそう感じました。



現在絶滅が危惧される大変希少なゴーラルさん。

そして…

国内では唯一ここでのみ飼育されているシャモアなど、
普通の動物園とは幾分趣の異なる動物園ではありますが、
カモシカの魅力を存分に味わえる動物園です。

かんちょが初めてここを訪れたのは今年の冬でした。
寒い、雪の降る季節。
御在所岳は雪に覆われ、あたりは一面雪景色。
自分はこれから動物園へ行くのか?と疑いたくなるほどの天候の中、
初めてカモシカセンターへと足を踏み入れました。
雪の中出迎えてくれるカモシカたち。
雪の中で見るカモシカたちはなんて毛並みの美しいことかと感じました。
そしてこんな寒く、長時間外にいるには酷な環境の中、
当園が差し出してくれる暖かいココアを飲んだり暖を取りながら
何度も何度もカモシカたちの姿を見に行きました。
そう、こんな寒い気候こそがカモシカたちが最も元気な姿を見せてくれるときなのです。

元気に走り回ったり仲間同士で力比べをしたり
更にはこんな豪快なジャンプシーンまで、
今まで動物園で見てきたカモシカたちと比べるとカモシカの本来の姿はこれなんだと、
今までの認識を大きく覆される事件でもありました。

また、建物の中では実に様々な剥製が置かれています。
この剥製がまたすごく出来がよく、今までここまでよくできた剥製は見たことがありませんでした。
今にも動き出しそう、いや、生きているのかと錯覚してしまうほど素晴らしい出来栄えでした。


今年の春には新しい命が誕生しました。
国内で唯一飼育されているシャモアの赤ちゃんです。

この機を逃がしたらシャモアの赤ちゃんはいつ見られるかわからない…
赤ちゃん誕生の報を聞きつけるなり慌てて飛んでいきました。
赤ちゃんは母親にべったり。
赤ちゃんの存在も希少でしたが、何より母親の嬉しそうで、優しい表情がとても印象的でした。
冬に出会った時とは明らかに表情が違いました。
母親が子供に愛情を降り注ぐ瞬間。
子供の口元をペロペロと舐めていました。
そして片時も母親とは離れず、常に寄り添う赤ちゃん。
見つめる先まで同じ方向を見ていました。
母親が移動するとそのあとを必ずついていきます。


冬は一面雪景色ですが、四季折々様々な変化を遂げる。
それが御在所岳の特徴でもあります。
春になると新緑で一面を多い、緑に囲まれた環境の中でカモシカたちの姿を見ることが出来ます。


こうした四季の変化に応じて様々なカモシカの姿を見られるのもここの素晴らしさだと感じました。


そして一番思い出深いのがこのコ。

チビタンと呼ばれるニホンカモシカです。
かんちょの姿を見かけると必ず猛突進をしてきて戦いを挑んでくる!
金網をがっしゃーん!がっしゃーん!!
走って移動するとチビタンも追いかけてくる。
そしてまた金網をがっしゃーん!がっしゃーん!!
いい年して一体どれだけの時間追いかけっこに時間を費やしたことか…
雪の中カモシカと走り回り、小さい子からは「あのお兄さん元気だね」と指さされ、
それでも走って走って走り回って、以来かんちょはチビタンのことを「オレのライバル」と呼んでいます。


昨今は動物園離れが続き、全国的にどこの動物園も来場者数が激減し、経営難に頭を抱えています。
ここ、カモシカセンターも例外ではなく、ピークと比べると半分以下の来場者数となっています。
しかし、ここカモシカセンターはスキー場の中にあり、
また御在所岳は有数な登山地でもあり、野生下でもカモシカたちが生息しています。
また、温泉地でもあるため、御在所岳に訪れる人は相当な数になります。
かんちょとしてはこういった観光客やスキー客、登山者などに立ち寄ってもらえるようにすれば
もっともっと人は増えるんじゃないか…とさえ思ってしまいます。
また、今はどこの動物園も経営難脱出から様々な工夫を凝らしています。
よく一般的に行われているサポーター制度を用いたり、
どうにか経営を存続していく道は残されていなかったのだろうか…
そんな思いでいっぱいです。

閉鎖後の動物たちの行き先は動物園に引き取ってもらうとのことですが、
動物たちの行き先が決まっているからよしというわけではなく、
この施設にいるカモシカだからこそ意義がある。
本当のカモシカのよさはここでしかわからないとさえ思います。
なのでこの度の閉鎖の報はただただ衝撃が走るのみでした。

今月、7/21の理事会を持って解散議案が可決されれば正式に閉鎖が決定します。
11月に営業終了ということは、もう雪の中でのシャモアを見ることもできないんだな…と。
チビタンと追いかけっこもできないんだな…と。
寂しい思いでいっぱいですが、残念な話ではございますが、
1つの終わりを迎えようとしています。


この度、こういった記事を起こしましたのは、閉鎖する日本カモシカセンターに対して何かできないものか考えました。
まだ予定はたてておりませんが、閉鎖までに一度カモシカセンターへ行くつもりでいるので、
その際にこの記事に対して頂いたコメントをプリントしてカモシカセンターへ渡そうと思っております。
なので、是非皆様、カモシカセンターやカモシカに対する思いをコメント頂ければと思います。
また、この記事に対しトラックバック頂きました記事についても、
内容如何によってはプリントしてお渡ししようと思っております。
そのため、この記事はかんちょがカモシカセンターへ訪れるまでトップに表示させて頂こうと思います。
皆様、是非コメントをお寄せ下さいませ。


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