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オオクチイシナギ

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締めの一枚。
かんちょがここ最近で一番印象に残った魚、オオクチイシナギです。

体長2m、重量100Kgにもなる大型の怪魚です。
ほぼ日本全国のやや深海に見られる魚です。

このオオクチイシナギ、けっこういろんな水族館で見られます。
当たり前のように見ていて、見た目あまり美味そうに感じなかったですし、
鑑賞としても地味な魚だったのであまり気に掛けていなかった魚だったのです。

で、なぜ印象に残ったかと言えば…
まあ、かんちょらしい理由ですが「半端なく美味い」のです。この魚…

とある日、かんちょ御用達のとある筋より「イシナギが揚がった」との報を受け、
「イシナギって美味いのかなぁ…」
っと、なんとなく下調べしたら高知では『イシナギクエ』と呼ばれていたり、
『アラVSイシナギ』と味比べがされていたり、
ところによっては『クエの一種』として扱っているお店があったりするのです。

「そ、そんなに美味いのならば…」

っと、次の日にイシナギを送ってもらうようにお願いしたら、
「もう売れちゃいました…」
っと、無念の思い…。

数日後にまたイシナギが揚がったとの報を受け、メールを頂いてから数時間後、慌てて電話をしてお願いするもまたしても売り切れ…
40Kgのイシナギがわずか数時間で売り切れてしまうのですから恐ろしいもんです。

またまた数日後、メールチェックをするとわずか3分前に「80Kgのイシナギが揚がった」とのメール。
「80Kg!?すげぇ!!超大物じゃん!!」
っと、大慌てで注文。
こうしてイシナギを無事手に入れたのです。

翌日イシナギが届くと早速お鍋の準備です。
クエは美味い美味いと言いつつも刺身で食べるとどうにも磯臭さが強烈で、鍋向きの魚。
クエの仲間として(実際は仲間ではありません)使われているくらいだから、
イシナギも刺身は向かないだろうなぁ~っと思ったのです。

届いたイシナギは鱗つきだったので、まずは鱗をはがすところから始まったのですが、鱗がめちゃくちゃデカイ!!
3cmくらいあって、鱗をはがすだけでも悪戦苦闘です。
必死こいて鱗をはがし、お鍋用に大きめに切り身にしました。
期待はできないけど、生の味も知っておこうかなと少しだけ刺身用に切り分けましたさ。

その日の晩、お鍋の準備をして、まずは刺身を食べてみました。

「・・・・・・・・・」

もう、声になりません。
クエのように磯臭くなく、ほんのり心地よい磯の風味と淡白な味わい。
歯ごたえもよく、噛めば噛むほど旨みが出てきて、食感もよい。
脂が乗っているんだけど、くどくなくいくらでも食べられます。

「あぁ、もっと刺身用に切ればよかった…」

っと、後悔の念を抱きながらお鍋にイシナギを投入。

しかし鍋にしてびっくり!!
刺身で食べたときの味わいがまた豹変するのです。
皮ぎしのゼラチン質がとろっとろで…
最高の味わい!!
また、しっかり炊くと鶏のような食感、味わいになるのです。

正直、クエは美味いものの脂やゼラチンが強烈すぎてたくさんは食べられない。
少量食べられれば満足な感じなのですが、イシナギはさっぱりしていてたくさん食べられます。
身の旨みも個人的にはクエより好きですし、刺身でも鍋でも美味いし、何より価格が安い!!
クエの半値もしません。
もう、かんちょはクエより完全にイシナギに軍配が上がります。
当面はイシナギに病みつきになりそうです。


さて、食べる話題ばかりでしたが、イシナギってどんな魚でしょうか。
今回食べたイシナギはかなりの大型でしたが、大型個体の肝臓には大量のビタミンAが含まれています。
そのため、食べ過ぎるとビタミンA過剰症になり頭痛や皮膚の剥離といった症状が出るため、食品衛生法で肝臓は食用禁止になっています。
イシナギは近年まで1種と考えられていて、イシナギと呼ばれていましたが、
最近になってやや口の小さい亜種が発見されたためオオクチイシナギコクチイシナギと分けられました。
とは言ったものの、その後コクチイシナギは発見されておらず、「本当にいるの?」という状態なのだそうです。
by argon-l | 2007-03-31 00:14 | 鳥羽水族館

各地の水族館で撮った魚たちの写真を紹介♪


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