ウバザメを食べてみた
2008年 02月 14日

大変価値の高い魚の1つと言えると思います。
でも、その割には加工品が主で、サメをそのまんま食べるという機会は意外に少ない。
以前食べた時は兎に角アンモニア臭くて惨敗したのですが、珍しいサメと聞いて性懲りもなく頂いてしまった。
というわけで、『サメを美味しく食べるにはどうしたらいいのか?』っという悪戦苦闘記です。
今回頂いたサメはウバザメというサメで、魚類の中ではジンベエザメに次いで2番目に大きく成長するという魚種だそうだ。
あ、ちなみに今日の写真はオオメジロザメでして、ウバザメとはサメ繋がりだけの写真なので悪しからず。
ウバザメは汎用種で世界に広く分布し、泳ぎが遅いことや、体躯の持ち主、温和な性質なため、
商業利用としての価値が高く、肉は食用、皮は皮製品、大きな肝臓は油を抽出するのに利用が高かったと言われています。
昨今では個体数の減少から漁獲を禁じている国もあるそうなのですが、
日本では稀に漁獲があることから、そのおこぼれを頂きました。
国内でもサメを食用にしている地域はいくらかあり、広島県を代表に山陰地方や中国地方では郷土料理として今も愛され続けています。
今でこそ流通ルートが確立され、冷凍技術も進んだことから、鮮魚の流通も可能な地域となりましたが、
その昔は鮮魚を流通させる手段がなく、尿素の多いサメは腐敗を防ぎ鮮魚はせいぜい3日程度しか持たなかったのに対し、
サメは2週間も持つと言われ、大変貴重な保存食でもあったと言われています。
その中でもネズミザメ目のサメは最も美味とされており、今回食べたウバザメもネズミザメ目のため、
「もしかしたら???」
っと期待を膨らましてのトライでした。
しかし、以前食べた時は兎に角アンモニア臭さにやられてしまったので、
そのときの悪夢を繰り返してはならぬと、誤魔化しの効くように濃い味付けで照り焼きにして食べてみた。
ところがどっこい、食べてみてビックリなことに全然アンモニア臭くありませんでした。
魚種のせい? 鮮度のせい?
以前、運動量の多いサメほどアンモニア臭くなるというようなことを聞いたことがあるのですが、
のんびりなウバザメは尿素が少ないのでしょうか?
不安を他所に意外に美味しかったです。
肉質はやわらかく、口当たりは大変よいです。
んが、やっぱりアンモニア臭いとは別にサメ独特の臭さというものがあります。
うーん、近いイメージとしては鯨肉を食べているときのような獣臭いイメージに近いです。
よーするに魚を食べている感覚はさっぱりありません。
そして、この臭さがけっこうパンチがあり、照り焼きという濃い味付けもあって、たくさんは食べられないです。

じゃあ、味噌焼きにして、紫蘇を混ぜて紫蘇で臭さを誤魔化してみたらどうだ?
っと、チャレンジ!!
先に食べた印象ではけっこう味噌をガッツリと使わないとあの臭さは消せないだろうと、
焼いた上からさらに味噌を塗ったのです。
…が、ガッツリ味噌をしてもやっぱり独特の臭みは消えません。
やっぱり少量食べるなら… っというレベルなのです。

というわけで、にんにくたっぷり!しかも一晩じっくりタレに漬け込んで竜田揚げにしたらどうだ!!
揚げてみるとニンニクのいい香り…
『こ、これはイケるかも!!』
見た目もかなり美味しそうなのです。
期待を大きく膨らましていざ!
・・・・・・・・。
臭さが一層引き立ちました!!!
というわけで、まとめです。
サメは美味しいか美味しくないかという話では決して美味しくないサメというわけではないと思います。
ただ、独特の癖のある味が好みかどうかという話で、かんちょはどうもこの臭いが苦手…
鯨肉の臭さもけっこう苦手なのですよ。
実際サメ肉は美味しいと評している方もけっこういらっしゃいますし、
やっぱりかんちょ同様に臭さとの戦いの方もけっこういらっしゃいます。
練り製品で美味しく食べられるんだから、サメ肉も美味しく食べられる方法があるハズ!
っと思うのですが…。
しかし、昨今の実情として、サメは有効活用されず、フカヒレ目的に乱獲があったりと、
勿体無い実情もあり、サメも万人が美味しく食べられる方法があればこういった歯止めに繋がるのになーっと感じますだ。
で、やっぱり同じようにサメの臭みと戦う方々もたくさんいらっしゃるようで、
宮城県では名産品としてサメ肉料理を作ろうという試みがあるようです。
参考: サメ肉料理 目指せ宮城の名産品 官民連携課題は「臭み」
by argon-l
| 2008-02-14 00:23
| 美ら海水族館