☆特集 深海に学ぶ file.03: 『深海ゆえの深海魚』

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深海と言う世界は何もかも人間の想像を絶する世界です。

水深1000mにも達すると、1Kmにも及ぶ分厚い水の壁は完全に太陽光を遮り、暗闇の世界へと突入します。
このくらいの水域になると水温もわずか3℃、まさに凍りつくかのような世界…。
そして水圧は約100気圧、つまり1平方センチに対し100Kgというとんでもない圧力がかかります。
しかしこの想像もつかないような世界でもしっかり生命は活動しているのです。

いい意味で言えば究極の進化系とでも申しましょうか。
とにかく無駄のない身体の構造をしているわけです。
ただでさえ驚異的な水圧により身体が重たいわけで、これでさらに自分の身体が重たかったら話にならないのです。
だから重たい筋肉は最低限にしてしまい、身体を海水の比重に近づけることで動きやすい身体にする。
だから深海の魚はブヨブヨした魚が多い。
さらには身体を支える骨もスカスカ。骨だって重たい。
凍りつくかのような冷たい世界では、高い体温を維持するにはエネルギーが膨大に必要とします。
爬虫類が寒くなると動きが鈍くなる様に、ラッコが毎日自分の体重の4分の1もの餌を食べてエネルギーとしているように、
体温と気温(水温)は密接な関係があるのです。
そのため、深海魚は体温を下げている分、大変動きが鈍いのです。
だけど、そもそもが生命豊かな表層と違い、外敵と出会う機会も少ない深海ではさほど素早い動きも必要としないのです。
この単純すぎるほどの身体の構造。しかし、なんとも合理的で最低限のものしか持っていないのです。

深海魚は眼がなかったり、見えていない魚が多いです。
そもそもが暗闇の世界ですから見える必要がないと言えばないです。
しかし深海という世界は暗闇であって、必ずしも暗闇ではないのです。
これはまた改めて紹介しますが、深海の魚たちは自身を光らせたりする魚がたくさんいます。
時にはこういった魚たちが視界に映り情報として入ることもあるのですが、
目の見えない魚たちは一切これらの情報を省いているのです。
何故ならば目から入る情報は脳で処理され、この脳が活動することが膨大なエネルギーを使うからです。
つまりは何も考えなければエネルギーを消費しない、低燃費な身体になるのです。

必要のないものを一切省いているというよりは、必要に迫られて必要なものを省いているとも考えられる合理的な身体。
想像を絶する世界では想像を絶する進化を遂げて生きているのです。
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by argon-l | 2008-03-26 08:27 | 竹島水族館

各地の水族館で撮った魚たちの写真を紹介♪


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