チゴダラとエゾイソアイナメ
2008年 05月 01日

似てる? というか、一緒?
様々な議論を呼んでいます。チゴダラとエゾイソアイナメ。
現在出回っている図鑑ではたいてい両者は別種として扱われています。
その理由として挙げられるのが、
・エゾイソアイナメは水深数十メートル以浅ところに生息していて、チゴダラは水深150m~880m程度に生息している。
・チゴダラよりエゾイソアイナメの方が目が小さい。
・エゾイソアイナメの体色は濃褐色をしており、チゴダラは淡褐色である。
などの理由が挙げられています。
しかし、上記の理由では完全に別種であると言うには決定打に欠けます。
生息域に関しては以前特集で紹介したことがあるのですが、
深い場所で生息する魚たちも幼魚の頃や繁殖期の頃は浅場で生活することもあります。
目の大きさにしても、成長過程や個体差によって違いがあって然りでしょうし、
体色にいたっては生息域が違えば体色が変わってくるのは当然でしょうし、
何より同じ環境にいたって魚の体色は個体差が激しいです。
実際DNA鑑定でも行われればハッキリするのでしょうけど、なかなかそうもいかないのが実情のようです。
こうして人間を悩ませ続ける彼らですが、1種ないし2種の魚でここまで議論を起こすのもまた魚の世界の奥深さと面白さを感じるところでありますね。
実際、分類学的に再検討が必要という声があがっているので、いつかははっきりするときがやってくるのでしょうねぇ。
ちなみに、北日本では別種として扱う傾向が強いようで、エゾイソアイナメと言えば三陸では「どんこ」と呼ばれ冬の味覚として親しまれています。
逆に西日本の方ではエゾイソアイナメとして出会うよりも、チゴダラとして出会う機会が多いような気がします。
この手の話に興味のある方は、是非みなさんの意見をお聞かせ願いたいところですー。