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アカムツノエ

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さて、沖縄からはしばし離れますよぉ~♪
今日はちと水族館路線とは違う生き物をば。アカムツノエです。
海の生き物は生き物なのですが、水族館ではまず見ることのない生き物だと思います~。
でも、何かに似てると思われた方もいるかと思います。
最近オオグソクムシという生き物が水族館でもよく見られるようになりました。
本種はオオグソクムシと同じ仲間、等脚目の生き物なのですね。
どうして水族館で見る機会がないかと言えば、本種は寄生虫なのです。

本種は等脚目ウオノエ科に属す生き物で、ウオノエとは「魚の餌」と書きます。
ウオノエ科の生き物たちは皆魚の口腔内に寄生して、口器で宿主を傷つけて血を吸引していると考えられています。
また、鋭い脚の先で口腔壁にしがみつくのでなかなかはがすこともできません。
釣りをする人や魚を丸々一匹扱うような人はご存知かもしれませんが、タイノエ(鯛の餌)というのを見たことがあるかもしれません。
これはタイに寄生しているウオノエの一種なのですが、じゃあ、本種はと言えば「アカムツ(のどぐろ)」に寄生しているウオノエの一種なのです。
そう、こうして魚の口に寄生するウオノエの仲間たちはたくさんいるのですが、何故か一種の魚には一種のウオノエ科の生き物しかつきません。
タイについているから「タイノエ」、アカムツについているから「アカムツノエ」なわけです。
見た目はさっぱり区別つかないんですけどねぇ。不思議なもんです。

ちなみにこのアカムツノエは買ってきたアカムツを捌いていたら口の中にいました。

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お腹面はこんな感じ。実はこの写真を撮っていたときはまだ生きていました。
宿主はとうにご臨終なされているのですが。

見事なまでにぷっくり膨らんだお腹。子を宿しているのでしょうか?

さらに不思議なことに、ウオノエの仲間たちは一度決めた宿主から離れることはありません。
死ぬときはほぼ宿主が食われて命を落とすときやどちらかの寿命がきたときでしょうか。
宿主と完全に運命を共にするわけですね。
基本的には魚が幼魚の頃に、小さなウオノエが口腔内に入り寄生すると言われています。
魚の成長と共にウオノエたちも成長していくわけで、さらには人生が全て宿主の口腔内で完結してしまいます。
産卵も口の中で行われるわけですからねぇ。
なんとも壮絶な一生です。

ちなみに真人屋さんを呼び、捌いたアカムツの刺身と共にこのコを観察していたわけですが、
高価なうんまい魚を他所に何やってるんでしょうね?我ら二人は。(笑)
最後は標本にすると真人屋さんが嬉しそうにお持ち帰りされました。
by argon-l | 2010-02-07 07:21 | 特集!

各地の水族館で撮った魚たちの写真を紹介♪


by argon-l